「森」と一口に言ってもいろいろな種類があるんだけど、ここでは代表的な4つの森林について今どうなっているかをお話ししよう。
【(1)天然林】
これはめったに人が入らないような場所にある森林だ。白神山地のブナ林なんかが有名だよね。ここは動植物の種類も多く、自然が豊かなところだ。ふだん人と接しないクマなんかも住んでいるぞ。でも最近の異常気象の影響で山にどんぐりなどの食べ物が少なくなって、クマも人里に降りてくるようになってしまった。また、特に尾根の付近では隣の中国からもたらされる大気汚染や酸性雨の影響で、森全体が枯れてしまうところも出てきている。工業化の影響が山奥の天然林やクマにまで及んでいるんだ。
【(2)里山林(薪炭林)】
農家のまわりにあって、人間に薪や炭などの燃料、牛などの牧草、田畑に入れる堆肥のための落ち葉、山菜などを与えて続けてきた森林だ。クヌギやナラなど炭にぴったりの種類でドングリのなる木が多いんだよ。昔は20〜30年おきに木をきって、切り株から新しい芽を育てていたから、林はいつも若い状態で、林の中も明るかったし、虫や動物、植物もたくさんいた。でも今、薪や炭、牧草、堆肥、山菜なども利用しなくなって放っておかれている里山が多いんだ。昔の木もどんどん年をとってしだいに混みあってくるから林の中も暗くて虫や動植物の種類も少なくなってしまったんだ。どんどん古い木をきって新しい林に変えていかなくちゃいけないんだけどね。
【(3)人工林】
花粉症の敵、スギやヒノキなどの針葉樹が多い。全部人が植えて育てた森林だけど、一番よく植えられたのは30年〜50年前くらいだ。まっすぐの材木がとれるから建築材として期待を込めて植えられたんだけど、その後外国から安い材木が入るようになってきて売れなくなり、手入れされていないところが多いんだ。植えた後もほんとうは枝を切ったり、間引き(間伐)したりして質の良い材にしていかなきゃいけないんだけど、山の手入れをする人がいなくなってしまったせいもあって、枝は伸び放題で間引きもしていないから林の中に入るととても暗い。おまけに落ち葉がなかなか分解しないから土の表面もふかふかになりにくいし、虫や動植物もとても少なくなってしまった。ちゃんと枝打ち・間伐をすれば草も生えてふかふかの土になるし、虫もやってくるんだけどね。
【(4)竹林】
タケノコ堀りやったことある?掘ったばかりのタケノコは甘くて香りもよくておいしいよね?このおいしいタケノコができるためには竹林を適当に伐採して、大きなこうもり傘をさして歩けるくらいにしておかなくちゃならないんだ。そうすると地面に光が入って、タケノコも喜ぶ、というわけ。もし伐採しないで放っておくと、まず竹はどんどん増えてきて混みあってくる。するとタケノコも細いのしか出なくなる。それから竹は一年で最高の高さになるから、隣の林の上にかぶさって、そこを枯らしてしまうんだよ。今、日本全体で竹林が多くなってるんだ。なぜかっていうと昔みたいに日本のタケノコがあまり売れなくなってしまったし、竹かごなんかも他のかごに変わったりして、伐採する理由がなくなってしまったからなんだ。もちろん山の手入れをする人がいなくなったことも大きい。
それぞれの森林について見てきたけど、(1)以外で共通するのは人の手が入らなくなって荒れてきているということだね。(2)〜(4)の人が関わってつくりあげてきた森林はずっと人が関わってこそ、健康で生き物すべてに役に立つ森林になるんだ。森林が手入れされなくなってきたのにも理由はある。つまり、木や竹の使い道がないから伐られないということだよね?だから、僕たちは君に炭やきを覚えてどんどん木や竹を使って欲しいんだ。森づくりはまず炭やきから!炭をやいて森をみんなで元気にしていこう!